蓄電池の小さな願い
『H』(H出版局)という著書の中で、彼は次のように述べている。
「問題を解決し、人の最良の部分を引き出すためには、時間と、労力と、思考力と、忍耐力と、才能が必要なのである。
多くの職場において、インセンティブを与えることがマネジメントだと勘違いされている」能力を発揮していない部下がいたら、その根本の理由を探って問題を解決するよりも、とりあえずエサを与えてやる気を引き出すほうが、多くの上司にとって楽な方法だろう。
ある評論家は、このやり方を「クイズ番組的アプローチ」と呼んでいる。
「さぁみなさん!この問題に答えられたら、さらに素晴らしい商品が待っています!」しかし、管理職だけでなく私たちみんなが、お金がもらえなければ仕事なんてするわけがないと思い込んでいる。
以上のことは、職場にも当てはまる。
金銭的なインセンティブを与えれば確かに仕事の成果は上がるが、それは頭を使わない単純作業である場合や(そもそも、お金ももらえないのに一日中封筒貼りをする人なんているわけがない)、嫌いな仕事である場合に限られるのだ。
それに加えて、昇給の直後は確かに生産性が上がるが、それもすぐに以前のレベルに戻ってしまうのである。
『H』誌に掲載された論文の中で、F・Hはお金はモチベーションにならないと結論づけている。
彼によると、お金の役割は、せいぜい仕事が嫌いになるのを防ぐくらいのものだ。
給料が3分の1カットになったら怒り狂うだろうが、3分の1アップしても、前より仕事が好きになるわけではない。
Hは経営者たちに「従業員によい仕事をしてほしいのなら、よい仕事を与えなさい」とアドバイスしている。
シカゴにある大手コンサルティング会社、H・グループの副社長兼常務取締役のD・Hも、クライアントに次のように語った。
「お金をあげれば部下は表面的にお行儀よくしているでしょう。
しかし、モチベーションは完全に内面の仕事です」。
あなたもここで、わが身を振り返ってみよう。
あなたは、この前昇給があってから、勤務態度が格段に向上しただろうか?おそらく、そんなことはないはずだ。
お金は鞭と同じで、人を働かせることならできるが、働きたいと思わせることはできない。
仕事の内容そのものだけが、内なるやる気を呼び覚ましてくれるのである。
自分の意志や目的意識に値段をつけられるのは、よい気分ではない。
親切心でお隣さんを駅まで車で送ってあげているのに、5ドル払うといわれたらいったいどんな気持ちになるだろう。
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